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抗菌薬(抗生物質)は正しく処方されていますか?

その「かぜ」、本当に抗菌薬(抗生物質)が必要ですか?

俗に言う「かぜ(感冒)」のほとんどはウイルスが原因です。細菌を退治する薬である「抗菌薬(抗生物質)」は、ウイルスには効果がありません。

1. なぜ「とりあえず」の服用がいけないのか?

抗菌薬を不適切に使用すると、細菌に薬が効かない、または効きにくい状態となります。これを「薬剤耐性(AMR)」といいます。

このまま対策をしないと、2050年には世界で年間1,000万人が薬剤耐性菌によって亡くなり、がんによる死亡者数を超えると予測されています。

2. 症状別:抗菌薬が必要ない主なケース

厚生労働省のガイドラインに基づき、多くの場合で抗菌薬が「推奨されない」ケースをまとめました。

①感冒:咳、鼻水、喉の痛みが同程度ある。発熱の有無は問わない。

→抗菌薬の投与は推奨されない

②急性鼻副鼻腔炎:鼻水、鼻づまり、くしゃみがメイン。発熱の有無は問わない。

→軽症な場合は抗菌薬の投与は推奨されない。10日以上長引く場合や重症な場合は抗菌薬の投与を検討。

③急性咽頭炎:喉の痛みが主な症状。

→溶連菌感染症の抗原検査が陽性の場合のみ抗菌薬投与が必要。(検査陰性の場合は抗菌薬投与は推奨されない)

④急性気管支炎:咳が主な症状。発熱や痰の有無は問わない。

→原則、抗菌薬の投与は推奨されない。百日咳やマイコプラズマなど抗菌薬投与が有効な感染源が特定されていれば検討。

⑤急性下痢症:下痢や嘔吐が主な症状。

→原則、抗菌薬の投与は推奨されない。

3. 患者さんに知っておいてほしいこと

「念のため」と抗菌薬を飲むことは、身体にとって不都合を生じる可能性が高いです。

もし診察時に抗菌薬が処方された際、「なぜ必要なのか?」と疑問に思ったときは、遠慮なく医師や薬剤師にご相談ください。

当院では、正しい知識に基づいた適正な治療を大切にしています。