- 子どもの予防接種とは
- ワクチンの種類
- 当院で対応している予防接種と費用
- 予防接種スケジュール
- 予防接種は保護者がいないと受けられない?
- 「キャッチアップ接種」予防接種を忘れてしまった方へ
- 子どもの予防接種のよくある質問
子どもの予防接種とは
赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫が成長とともに自然に失われていきます。そのため、赤ちゃん自身が免疫を作り、病気を予防する必要があります。これをサポートするのが予防接種です。予防接種とは、ワクチンを接種してウイルスや細菌に対して免疫を作り、病気を予防したり、発症した際に症状を軽くしたりする方法です。感染症を予防し、病気の流行を防ぐためにも予防接種は重要です。予防接種は、法律で定められた定期予防接種と、それ以外の任意接種があります。
定期予防接種
定期予防接種は無料で実施されています。対象となるお子さまには、予防接種のスケジュールに合わせて予診票が郵送されます。予防接種には接種期限があり、期限を過ぎると無料で受けられなくなるので注意が必要です。定期予防接種の詳細については、お住まいの市区町村のホームページでご確認ください。
お住まいの地域以外で定期予防接種を受ける場合
東京23区に加えお住まいの地域で指定されている区域以外で定期予防接種を希望される方は、「予防接種依頼書」の交付が必要となります。詳細はお住まいの地域によって異なる場合がございますので、お住まい地域のホームページをご確認いただくようお願いします。
ワクチンの種類
ワクチンは、感染症を引き起こすウイルスや細菌を精製・加工し、病原性(毒性)を弱めたり失くしたりして、安全に体内に取り込める状態にしたものです。
生ワクチン
生ワクチンは、ウイルスや細菌の毒性を弱めて、病原性をなくしたものを使用しています。弱められたウイルスや細菌は体内で増殖し、免疫を高めるため、自然感染と似た流れで免疫が作られます。そのため、接種回数が少なくて済むのが特徴です。
- ロタウイルス
- BCG(結核)
- MR(麻疹/風疹)
- おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
- 水ぼうそう (水痘)
など
不活化ワクチン
不活化ワクチンは、ウイルスや細菌の病原性(毒性)を完全に失わせ、免疫を作るために必要な成分だけを取り出して製剤化したものです。自然感染や生ワクチンに比べて、得られる免疫力が比較的弱いため、1回の接種では十分な免疫を得ることができず、何回かの追加接種が必要です。
トキソイド
トキソイドは、病原体となる細菌が生成する毒素だけを取り出し、その毒性を失わせて製造されたワクチンです。不活化ワクチンと同様に、免疫を獲得するために数回の接種が必要です。
- 破傷風
- ジフテリア
など
mRNAワクチン
mRNAワクチンは、ウイルスの一部を作るための遺伝情報を含んだmRNAを体内に入れることで作用します。このmRNAが体内でウイルスのタンパク質を作り、そのタンパク質に対して免疫が反応し、病気に対する防御力を高めます。
など
当院で対応している予防接種と費用
ワクチン | 自費の費用(税別) |
---|---|
小児用肺炎球菌ワクチン |
11,000円 |
5種混合ワクチン |
20,000円 |
BCGワクチン |
8,000円 |
MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン) |
8,000円 |
HPVワクチン |
16,000円 |
水痘ワクチン |
7,000円 |
B型肝炎ワクチン |
5,000円 |
おたふく風邪ワクチン |
4,000円 |
日本脳炎ワクチン |
6,000円 |
二種混合(DT)ワクチン |
4,000円 |
インフルエンザワクチン |
3,000円 |
ロタウイルスワクチン(ロタリックス) |
13,000円 |
ロタウイルスワクチン(ロタテック) |
9,000円 |
三種混合 |
5,000円 |
予防接種スケジュール
毎年予防接種を受ける際のスケジュールが決まっております。詳細は下記よりご確認ください。
予防接種が受けられない場合
- 体温が37.5℃以上の発熱がある場合
- 予防接種予診票を忘れた場合(定期接種の場合)
- 過去に接種予定のワクチンで強いアレルギー反応があった場合
- 医師が接種不適当と判断した場合
予防接種を受ける際の持ち物
- 診察券
- 健康保険証もしくはマイナ保険証
- 乳幼児医療証もしくは子ども医療証
- 予防接種予診票・接種券(定期接種の場合)
- 母子健康手帳
予防接種票を失くしてしまった方へ
転入や予診票の紛失により、子どもの定期予防接種予診票を再発行したい場合は、各自治体の窓口での申請、電子申請、または郵送申請のいずれかで交付・再交付の申請を行ってください。
予防接種は保護者がいないと受けられない?
未成年者の予防接種は、原則として保護者同伴で受ける必要があります。ただし、高校生以上の場合は、予診票に保護者の署名があれば、保護者の同伴なしで接種を受けることができます。
「キャッチアップ接種」予防接種を忘れてしまった方へ
予防接種を受け忘れてしまった場合は、接種は可能ですが、自費(有料)となります。また、年齢によっては接種できない場合もあるため、年齢制限にご注意ください。
ただし、免疫不全状態など特別な事情がある場合は、定期接種の対象となり、無料で接種できることもあります。詳細は「日本小児科学会の予防接種キャッチアップスケジュール」をご確認ください。
子どもの予防接種のよくある質問
子どもが一番に最初に受ける予防接種は何ですか?
日本における標準的な予防接種スケジュールでは、生後2か月から以下のワクチン接種を推奨しています。
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- B型肝炎ワクチン
- ロタウイルスワクチン
- 五種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、ヒブ(インフルエンザ菌b型))
熱が出やすいワクチンはありますか?
五種混合(DPT-IPV-Hib)ワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンなどの不活化ワクチンでは、接種後24時間以内に発熱が見られる場合があります。また、麻しん風しん(MR)ワクチンや水痘ワクチンなどの生ワクチンでは、接種後5~14日目に一時的な発熱や発疹が見られることもあります。いずれも数日以内に改善します。
予防接種をした後は、いつから登園・登校させてもいいですか?
予防接種後に特別な症状がなければ、翌日から通常の生活を送ることが可能です。ただし、接種部位の腫れや発熱などの副反応が見られる場合は、症状が改善するまで自宅で安静に過ごすことを推奨しています。具体的な対応については、医師や保育園の指示に従ってください。
BCGワクチンの跡がつかないこともありますか?
BCGワクチン接種後、通常は接種部位に小さな膿疱や潰瘍が形成され、最終的に瘢痕(跡)が残ります。しかし、一部の子どもでは明確な跡が残らない場合もあります。跡が残らないからといって、ワクチンの効果がなかったわけではありません。免疫の獲得状況が心配な場合は、医師に相談してください。